方針もいいけど共通理解が欲しい【日本サッカー×フィジカル】

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photo credit: Hacia Ojinaga via photopin (license)

 

どーも、お久しぶりです。

ちょっと前にTwitter上でいろいろ賑わしたこちらの記事、ご存知ですか?

日本サッカー強化のカギは“弱点”のフィジカル…世界と「戦う」力を持つ選手育成へ | サッカーキング

 

私もフィジカル方面を専門としているというのもありますが、その強化の必要性は間違いなくあると思います。

「日本の長所であるテクニックやパスワークを十分に発揮するために、フィジカルコンタクトに負けないようにフィジカルトレーニングをしていく」

という方針については大賛成です。

ただ記事を読んでいて、私は正直「?」となったり、もやもやと違和感を感じる記事でした。

ひょっとしたら同じような感じになった方もいるかも、と思ったので今回はその違和感の正体に迫ってみたいと思います。

 

≪共通理解が無かった≫

結論から言うとこの違和感の正体は、この記事が単純に【わかりにくい】ためでした。

ライターさん批判ではありませんよ、念のため。むしろこのライターさんは結構好きな方です。Twitterも追っかけてます。

文の構成や表現というよりも、方針を発表する前の段階で問題がある気がします。

つまり、フィジカルという言葉の定義について日本サッカー界全体で、すなわち私のような末端中の末端の一般サッカー野郎にまで、共通理解が得られていない状況で「フィジカルコンタクト強化!」と謳ってもいったいどこまでその真意が伝わるのでしょうか、という印象です。

一応記事内では「フィジカル」という言葉ではなく「フィジカルコンタクト」という言葉を選んで使っている背景が読み取れますが、記事を読んだ人がその違いにどれだけ気付けるかは、一般の人の多くがネット記事を流し読み程度で読んでいるとすれば、難しいでしょう。

 

≪フィジカルとフィジカルコンタクトについて≫

ここらでフィジカルという言葉を改めて整理してみましょう。

それは単に当たりの強さだけを指しません。

スタビリティ、スピード、(筋)持久力、可動性、筋力、さらにこれらを総合的に操る能力としてコーディネーションがあります。

ところが「フィジカル」という言葉を聞いた時に、「当たりの強さ」「身体の筋肉がムキムキかどうか」という解釈に繋がってしまうのが、一般の理解かと思います。

一方「フィジカルコンタクト」という表現を使った場合、そこでようやく身体と身体のぶつかり合いのシチュエーションがイメージできます。

そのフィジカルコンタクトが発生するシチュエーションとは【空中戦】【1対1の球際】【セカンドボールの奪い合い】などなどでしょう。

サッカーと切り離して考えることはできないこれらの局面に関しては、また別の記事で取り上げます。

このフィジカル・フィジカルコンタクトの捉え方は一般論ですので、改めてそれらがサッカーのシチュエーションの中でどのような意味を持つのか。

そこまで含めて、日本サッカー界で共有すべき部分です。

 

≪言葉の定義の重要さ≫

どんな方針を打ち出すにも、まず最初に言葉の定義、表現の定義をしないことには始まりません。

それはなぜか。

組織が共通理解を持ちやすくするためです。

ところがこれが日本サッカーでは上手くいっていません。

【言わなくてもわかる】【察する】【以心伝心】というのはとても魅力的な日本の文化であることは認めますし、それが成立したときは嬉しいものですが、その文化というか国民性が共通理解を積極的に持つことにブレーキをかけていることもまた、外から見ていて感じることです。

 

フィジカルに限らず、戦術的用語や日本サッカーの課題や長所、育成方針についても、その統一は必須です。

用語や方向性が【誰が見ても同じ解釈になる】ようにしていくことが大事で、そうでなければ上手くいったときにさらに先に進めることも、上手くいかなかったときに振り返ってみることも、サッカー界全体で共有することはできません。

そんな状態で冒頭の記事のように方針を発表したところで、サッカー界全体が同じ方向を向いていくことは難しいのではと思います。

 

多様性はもちろん重要で、各指導者、チームで色があるべきだとは思いますが、多様性は画一性の上に積み上げられるべきものです。

日本サッカーが全体でより高いレベルに行こうと思うのであれば、今回のような方針を打ち出すことも、設備投資や人材育成に注力することももちろん大事ですが、その土台となる部分へのひと手間が大事で、今後そこに注目していきたいなと思います。

そして今後日本サッカー関係者向けに出される(といいなと勝手に思っている)今回の強化方針には、そうした部分が掲載されているといいなーと期待しています。

 

次回ではフィジカルをサッカーにおいてどう扱っていくか、について書いていきます。(願望)

 

 

Yasu


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