残る選手はどこを評価されているのか?

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photo credit: Chalk board writing via photopin (license)

 

オランダのサッカーシーズンももうすぐ終わり。寂しいですね。

この時期になってくるとクラブの育成では「選手の去就」が話題になってきます。

オランダの育成カテゴリは一年刻みになっており、ここは日本のジュニア、ジュニアユース、ユースという括りとはまた違いますね。

そんな感じで毎年、その選手がどれくらい成長したかを評価し、次のレベルに見合わなければクラブを去ることになります。

FCユトレヒトユースでも残る選手、去る選手が決まりました。

 

<<基準は3つ>>

テクニカルスタッフの皆さんに聞いてみたところ、FCユトレヒトのユースでは選手の成長を評価する際に、テクニック・フィジカル・判断力の3つを用います。

評価のタイミングも一回ではなく、年4回に分けてその時点での習熟度を評価し、面談を通して選手に伝えていきます。

具体的な基準は「一言では説明するの難しいねん」と説明は端折られてしまいましたが、要はアカデミーの中で基準となるプレーモデルがあり、試合中そのプレーが上手くいっているかどうか、ということらしいです。

その試合中のプレーを分析して、上手く言った部分、上手くいかなかった部分に影響するのはその3つのうちどれなのか、を選手に伝えていきます。

もちろんプレーの正解は一つではありませんから、それらを評価するテクニカルスタッフの人たちはすごいなぁと思うわけです。

 

<<特に大事なのは判断力>>

監督曰く「判断力が特に大事である」そうです。

この部分は私も納得で、チームのU15の右サイドバックの選手を例に挙げます。

彼はシーズンの早い段階から「アイツはU16に上がるだろう」と言われていました。

その選手はチームでは2番目くらいに背が低く、屈強でスピードのあるオランダのウイングの選手達を相手にするサイドバックにしては、スピードや高さではハッキリ言って物足りない選手です。

特に足元のテクニックが高いわけでもありません。

それでも彼は1対1ではスピードのある相手を止めますし、ビルドアップでもウイングのプレスをかいくぐって相手コートまでボールを運ぶことが出来ます。

それらを可能にするのは「判断力」、もっと具体的に言うと「方向とポジショニングとタイミングの判断が優れている」ということなのだとか。

サッカーのアクションは「方向」「タイミング」「スピード」「ポジション」の4つで構成されるのですが、状況を見て適切な「ポジション」を取り、適切な「方向」に適切な「タイミング」でフリーランニングやボールを奪うアクションを起こせるため、スピードが上回る相手にも勝つことが出来るということです。

 

<<試合中でも、判断力はこまめに評価されている>>

テクニックやフィジカルは、試合中上手くいったかどうかの結果が目に見えることが多いです。

その一方、上手くいったというプレーの結果は見えたとしてもそれが判断力によってもたらされたかどうかは、目に見えません。

試合中上手くパスが通ったとしても、それが状況を判断して選ばれたプレーなのか、偶然目に見えたところに出しただけなのか、試合を観ただけではわかりません。

そこでうちのチームの監督は良く「○○は見えていたか?」という問いかけをし、いくつかの選択肢の中で理由を以って選んだかどうかを確認します。

そのためには監督自身がそのプレーの瞬間いくつかの選択肢が見えていないといけないわけで、サッカーの監督がサッカーの専門家である所以だと思いました。

 

<<まとめ>>

選手がフィジカルやテクニックの要素よりも、判断力の要素を大きく見られてているのは、育成年代では大変大事なことだと思います。

育成年代(特に成長期前)において目に見えて足が速く、当たりが強い選手は発育によるアドバンテージであることが少なくありません。

それまで飛びぬけていた選手が、成長期が過ぎて周りの選手との差がなくなっていった時、その選手はタレントとは呼ばれなくなります。

逆に、判断力という点でタレント性を持っていた選手が、テクニックはあっても身体が小さかったためにアカデミーから去ることになると、それはクラブにとって損失になります。

だからこそサッカーは難しく、監督業は難しく、彼らは監督・コーチでいる以上学び続け、サッカーを観る目を養い続けないといけないということです。

メディカルの人間も負けてはいられないですね!

 

 

Yasu


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