素早い対応が復帰への近道!応急処置の重要性 その②

リハルーム

前回では応急処置の基本原則「RICE処置」のRestとIcingについて書きました。

今回は残りの2つ、圧迫(Compression)と挙上(Elevation)です。

 

圧迫(Compression)では、患部を包帯やバンデージ、テーピングなどで圧迫することによって血液や組織液の流出を防ぎ、腫れを抑えるという目的があります。ただ、例えば太ももを打撲したときにやみくもに包帯などでぐるぐる巻きにしてしまうと、打撲していない箇所の血行までもが阻害されてしまいます。これはよろしくありません。そんな時には打撲箇所にテーピングパッドを当てたり、小さなタオルやハンカチを重ね折りして患部に当て、その上から包帯を巻いていくと、狙った箇所に圧迫を加えることができます。

この圧迫は実は寝ているときもポイントだったりします。もちろん寝ている間に圧迫を外すことはできませんから、血流を阻害しすぎないようにするために、緩めにする必要はあります。靴下の重ね履きでもしないよりは効果が見込めます。朝起きて捻挫した足首が倍以上に腫れ上がっていた、という経験をされた方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。寝ている間でもできる限りのことはやっておこう、という姿勢は大事です。

 

最後に挙上(Elevation)です。これは患部を心臓より高い位置に上げることで、溜まった組織液や血液を末梢(足先や指先など、身体の先端部分)から中枢(身体の中心部分、主に心臓周辺)に戻してあげる目的があります。よく、心臓より高くすることで血流を弱めて出血を抑えるという目的も聞きますが、結論から言ってその効果はあまり期待できません。なぜなら人間の身体は賢いもので、血流が足りていないところには積極的に血液を送るように反応してしまうためです。ですので目的としては溜まった流出した体液を末梢から中枢に重力を使って送ることで、腫れを抑えるということがメインになります。

この挙上も、寝ている間にすると効果的と言われています。布団やクッションを重ねることで少しでも患部を高く保つことが重要です。

 

基本的に怪我をしてしてから24-72時間はこの処置が必要といわれています。また患部にひどく熱感が残るようでしたら、怪我をしてから5日後までアイシングなどの処置の継続してみましょう。それ以降も症状が改善しない、といった場合には他の問題が隠れている可能性がありますので、病院など専門機関を受診することが望ましいです。

また、応急処置の留意点として、炎症が起こっているうちに湯船に浸かったり、アルコールを摂取することは望ましくありません。血流が増大してしまうため、患部の腫れが大きくなり、結果として回復が遅れます。シャワーのみ、ノンアルコール飲料などちょっとした配慮が必要です。

 

早期復帰のためには欠かせない

以上2回にわたってお伝えしてきたRICE処置ですが、特に専門的な知識が無くても、実施することが可能なとてもお手軽な応急処置技術です。怪我をした後にこの処置をするかどうかで、その後の回復にかかる時間が大きく変わってきます。競技復帰までの期間を短くすることは、競技能力向上につながります。怪我をした直後はショックに感じてしまうことももちろんあるでしょう。私も何度経験したかわかりません。ですがそこから素早く次に切り替えることの重要性も、この記事をご覧になった皆様には、心に留めておいていただきたいですね。

長く楽しくサッカーやほかのスポーツをプレーするためにも、選手自身がこのことを知っているだけで、大きくプラスになることだと思います。

 

Yasu


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