メディカルスタッフがコンディショニングを学ぶべき理由

Dictionary

photo credit: Khaz The Dictionary via photopin (license)

 

先日クラブでオランダの伝統行事、シンタクラース(知らない人はググってね)パーティでの選手からのプレゼントで「男が一生のうちにやっておくべき100の事」なんて某ライフハックページにありそうなタイトルの本をもらいました。パラパラっと読みました。特に響きませんでしたでも男子力上げろよというメッセージだと受け取りましたこんにちはYasu@yasuhiradeです。

 

年の瀬になり再び重くなってしまったブログ腰を持ち上げました。

何を書くのか、書きたいことはいっぱいあったのですが、時期的にこれだろう、ということで「コンディショニング」をチョイスしました。時期的に、というのは年末年始に日本で「サッカーのピリオダイゼーション」セミナーが行われるためです。今回は僕もお手伝いで一時帰国します。2015夏以来の帰国です。冬に変えるのは4年ぶりかな?

とにかく自分の頭を整理するのと、メディカルスタッフ(トレーナーさんとかPTさんとか)がコンディショニング知っとくといいよ、というのが伝わればいいなと思って書きます。

興味が湧いたら↓受講してみて!清々しく宣伝だよ!

2017-18年度「サッカーのピリオダイゼーション」セミナー

 

≪コンディショニングとサッカーのピリオダイゼーション≫

まずはコンディショニングの定義です。

ピークパフォーマンスの発揮に必要なすべての要因をある目的に向かって望ましい状態に整えること

(アスレティックトレーナー専門科目テキスト)

とあります。

定義のディテールは微妙に違うかもしれませんが、ようは試合でペストパフォーマンスを出すための取り組みであること、という理解で間違っていないかと思います。言い回しの細かい差異はここでは華麗にスルーします。

そして話をサッカーに。

「サッカーのピリオダイゼーション」とは、サッカーの試合でベストパフォーマンスを出すための取り組みについての考え方です。

サッカーの試合でのパフォーマンスにおいて重要なのは、

1.コミュニケーション(チーム内での戦術的な約束事および状況認識)

2.状況判断

3.テクニック

4.サッカーフィットネス

の4つに分けられます。

コンディショニングと聞くとフィットネスレベルだけにフォーカスするものだと思われがちですが、なによりサッカーにおいて重要なのは選手間のコミュニケーション。

「チーム戦術や今ピッチで何が起こっているかの認識」から「状況判断」が生まれ、その状況判断によってえらばれたアクションを実行するのに不可欠なのがテクニック、そしてそのアクションを90分通して継続してハイテンポで行うために必要なのがサッカーフィットネスです。

これらは相互に影響しており、かつ今述べたように序列が存在します。

一番重要なコミュニケーションを鍛えるために必要なのは戦術トレーニングです。

それも、決まったメンバーで行われるのがベターです。

Aという選手がボールを持ってドリブルした時にBという選手がどう動くか、それをチーム全体が理解し、試合の局面で戦術的約束事を当てはめられる場面を認識するのがコミュニケーションです。

「お、これ練習通りやーん」

と気づけるかどうかが大事ということです。

ところがBという選手のポジションに急に試合の日に一緒にトレーニングしたことのないCという選手が入った場合、C選手がどう動くのかチーム全体での理解はありません。当然、戦術が当てはめられるかどうかの認識、そのクオリティはB選手がいた場合とは大きく異なり、低いものになるでしょう。

これが同じメンバーでトレーニングすべき理由です。

するとおのずと一つの守られるべき原則が浮かび上がってきます。

「決まった選手達がトレーニングに参加していること=選手達が怪我によって長期離脱しないこと」

ということです。

 

あらかじめ断っておかなければならないのは、サッカーのピリオダイゼーションは世の中にいくつもあるトレーニングメソッドのうちの一つではなく、サッカーのチームがシーズンを通して戦っていく中で用いらなければいけない原理原則です。「サッカーのピリオダイゼーション」という言い方をしないだけで、グアルディオラであろうとモウリーニョであろうと、そのディテールにこそ違いはあれど、同じような考え方をしているということです。

 

≪メディカルスタッフの仕事との関係≫

ピリオダイゼーションを実行するのは、基本的にはトレーニングを作る監督・コーチです。

可能であればチームにおいて監督以外にこのピリオダイゼーションを管理する役職、いわゆる「コンディショニングコーチ」がいたほうがいいのですが、チームに雇える人数は限りがありますから、そうでない場合も多いでしょう。

ここでメディカルスタッフの仕事に目を向けると、基本は怪我の予防、日々のケア、怪我のリハビリが主な仕事になります。

サッカーのピリオダイゼーションにおいて、メディカルスタッフが関われる部分はというと、先ほど述べた

「決まった選手達がトレーニングに参加していること=選手達が怪我によって長期離脱しないこと」

という一点になります。

怪我によって長期離脱しない=怪我の予防

おそらくメディカルスタッフのほとんど全てが望み、しかしなかなか上手くいかないと頭を悩ませるトピック「怪我の予防」がここで登場してきます。

日々選手に接し、疲労の度合いを把握しているメディカルスタッフはこのピリオダイゼーションにおいて監督をサポートできる存在になり得るということです。

 

≪メディカルスタッフにできること≫

僕は今シーズンオランダの女子1部リーグVV Alkmaarというチームでフィジオセラピストとして活動しています。

その傍ら、自分がこのピリオダイゼーションを勉強していることを監督に伝え、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

どの選手が今疲労がたまっている、もしくは復帰してから日が浅いからトップフィットではない、などコンディショニングトレーニングのメニューを考えるうえで必要な情報を伝えていきます。

コンディショニングゲームにおいても11v11と3v3では負荷のかかり方が違うため、考慮に入れるべきフィルターに引っかかる選手が出てきます。具体的には3v3のほうがよりシビアにセット数の調節を提案する、という事なのですが、知っていなければできない事だとも思います。

加えて、チームのストレングストレーニングも行っているので、そのあたりの負荷のかけ方のバランスも調節しています。ここは特にまだまだな部分なので手探りですが。汗

また負荷のかけ方について、メディカルスタッフならではでの視点から、怪我をしないことの重要性は強く説くようにしています。

一度怪我をしてしまうと、復帰のためにはリハビリが必要になります。

仮にAという選手が怪我をして6週で復帰できたとしても、Bという選手が同じ怪我をして6週で復帰できる保証はどこにもありません。

前もっていろんな要素を考慮してプランニングしていくなかで、「怪我」が起こってしまうと途端に計算が付かなくなることがあります。

ちなみにうちの監督はプレシーズンには「リスクを取らなきゃいけないんだ」とトレーニングの負荷のかけ方はだいぶ攻める人でしたが、それに対して「誰かが怪我をしたら、あなたが使いたいと思っていたその選手が試合で使えなくなるってことだよ。それがリスクだよ」とリスクという言葉を具体化して伝えるようにしていました。

最近は聞き飽きたのか、「リスクを取る」ということばは聞かなくなりました。笑

 

≪リハビリにも応用できる≫

リハビリでフィールドトレーニングが可能になった選手には、ピリオダイゼーションの6週、もしくは3週サイクルでの負荷のかけ方を用いています。

最近ではACLの再建術をした選手のコンディション上げの参考にしています。

とはいえチームのコンディションははるか先に行っているため、長期離脱していた彼女がそれに追い付くにはなかなか時間がかかると予想されます。チームトレーニングに参加してからもしばらくはコンディショニングゲームは負荷の調節が必要だなと思ってやっています。

ここで大事なのは、チームのコンディショニングの方向性に合わせてリハビリ選手のコンディションをあげていけるという事。指針が出来るといってもいいかもしれません。

やみくもに走り込みを行うよりも、安全に段階的にコンディションをあげていくことができます。

もちろんグループで行うコンディショニングゲームと同等の負荷を与えることはできませんが、限りなく近づけられると考えています。

この辺は、彼女が復帰したころにまたレポートします。頑張れブログ更新。笑

ということでもう一回宣伝↓

2017-18年度「サッカーのピリオダイゼーション」セミナー

 

Yasu


PAGE TOP