なぜACL術後4か月でGoサインが出たのか?

ハテナ

今回はオランダサッカー界のとあるニュースからです。

日本代表でおなじみ、マイク・ハーフナー選手が所属するフィテッセの選手の一人、テオ・ヤンセン選手が膝の怪我明けでサテライトチームの練習に参加したその日に、再び同じ膝を痛めて病院へ搬送されたというニュースです。

テオ・ヤンセン選手は以前にも試合中に前十字靭帯を損傷し、手術によって再建、リハビリを行っており、ようやくサテライトチームのトレーニングに合流した矢先の出来事でした。注目すべきは、前回の受傷が10月6日だったということです。すなわち再建術を行ってからわずか4か月弱しか経っていなかったのです。

 

Nieuwe knieblessure voor Theo Janssen – AD.nl

 

 

前十字靭帯を損傷した場合、通常はスポーツ復帰のために再建術の適応となります。その後、リハビリを行うわけですが、基本的に6-9か月はかかるとされています。さらにはそのリハビリやリハビリ後のチーム復帰の際の負荷のかけ方は非常に慎重になるべきであり、コンディショニングの専門家のレイモンド・フェルハイエン氏も警鐘を鳴らしています。

 

ACL損傷と疲労の関係 ~ウォルコットの怪我に対するコンディショニングの専門家の見解~| フットボールノコトバ。

 

リハビリの世界でも、スポーツ復帰には6か月以上かかるとされており、この異例の早さでのチームトレーニング合流が決まった時には ’Medisch Wonder’(医療の奇跡)などという見出しの記事が出たほどです。

MRI検査は翌日ということで、果たして再受傷となってしまったのか、またその重症度は未だ明らかになっていませんが、テオ・ヤンセン選手自身にとってとても残念な結果となってしまいました。

 

なぜ4か月で復帰できると判断されたのか?

ここで気になるのが、なぜ受傷後4か月(今回はすぐに手術を行ったようですから、計算すると17週目)にトレーニング参加の許可が出たのでしょうか?通常、前十字靭帯再建後のリハビリを進めていくには、靭帯の強度や血流再建、固有感覚受容器の回復を考慮に入れて行わなければなりません。時間が経てば自然とリハビリの強度がステップアップしていくわけではなく、各フェーズ毎に次のステップへ進むためにクリアすべき基準が用意されています。

ちなみに17週だと、一般的なリハビリの流れで言えば、最大筋力の獲得に向けて漸進的に筋力トレーニングを行っている時期です。加えてランニングメニューもあり、ようやく切り返し動作が入ってくる頃です。まだこの後に、スポーツスぺシフィックな筋力トレーニングスポーツ復帰に向けたコンビネーショントレーニングという2つのフェーズが控えているのです。

フィテッセのメディカルチームがこの基準を無視してリハビリを行っていったとは到底思えないので、当然その部分はクリアしていったはずなのですが、それにしても17週という早さで進んでいくことに誰も異常を感じなかったのでしょうか?

 

残念ながら何が原因だったのか、どうすれば良かったのかをここで結論付けることは出来ません。チーム合流に向けたトレーニングをどれだけ、どのように行ったのか、という点については非常に知りたいところではあります。

今回は切り返しからのターン動作によって膝を痛めたようですから、少なくとも言えるのは、彼はまだチームトレーニングにフィットしていなかったということでしょう。考えられるのは、膝のスタビリティがまだ完全には得られていなかった、もしくはリハビリの段階では問題なかったが、サテライトの練習の負荷が彼に合っておらず、練習中に疲労が蓄積してしまったということでしょうか。結果論で語る形になってしまいましたが、私たちはこの結果から学ばないといけません。リハビリの際に何を考えなければいけないのか、そのリハビリは本当にサッカーに向けたものなのか・・・。

とにかく、テオ・ヤンセン選手のケガが重傷でないこと、次回のリハビリを経て再びピッチに立つことができるのを祈るばかりです。

 

 

Yasu


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