なぜACL術後4か月でGoサインが出たのか? その② ~テオ・ヤンセン選手のその後~

膝レントゲン

前回の記事で、フィテッセのテオ・ヤンセン選手が術後4ヶ月での早期復帰後、再び練習中に膝を痛めてしまい、病院に搬送されたことについて書きました。

なぜACL術後4か月でGoサインが出たのか?| フットボールノコトバ。

 

診断は半月板損傷

その後、病院でMRI検査を受けたのち、明らかになった診断は「外側半月板損傷」でした。彼は本日のフィテッセ対フェイエノールト戦の会場でのインタビューで、怪我をした時の様子について答えています。

「ボールをもって切り返して、ダッシュしようと踏み切った時に膝に違和感を感じたんだ」

非接触による怪我だったということですね。

また、ACL損傷からの復帰が異例のスピードだったことについては

「トレーニングは上手くいっていた。できる限り早く復帰するために、できる限りのことをしたし、多くの人の助けがあった」

と述べています。

今回のケガで、負荷が高かったのでは?という質問に対し、

「たくさんの人が時期的に早すぎるといったが、もし早ければ前十字靭帯が再び切れていただろう。でも今回は靭帯ではなく半月板だ。だからこれは運が悪かったんだ」

ということから、彼自身はメディカルスタッフに対して信頼を持ちながらリハビリに取り組んでいたことがうかがえます。きちんとしたコミュニケーションがあって、リハビリは進んでいったのでしょう。

 

何が原因で損傷に至ったのか?

今回の怪我を受けて、テオ・ヤンセン選手自身は、自身のシーズンがほぼ終わってしまったことについて、非常にがっかりしていました。しかし、「運が悪かった」と割り切っていることや、「シーズンは終わったかもしれないが、キャリアはまだ終わっていない」と、意識が前を向いていることは非常に良いことだと思います。

しかし、私たち選手の身体を扱う立場の者は、決して「運が悪かった」で済ませてはいけません。メディカルスタッフのみならず、コーチングスタッフも同様です。

以前、半月板損傷についても、このブログで紹介しました。

半月板損傷とサッカー選手| フットボールノコトバ。

 

 

この半月板損傷、損傷メカニズムは膝関節の屈曲と下腿の回旋が関与している以外に未だハッキリとしたことは明らかになっていませんが、外側が損傷した場合は損傷時の膝と下腿の関係が、下腿が膝に対して過度に内旋していた、ということは言えそうです。検査方法「マックマレー」はまさにそのような肢位によって半月板に圧力をかける検査です。下腿が内旋していると、外側半月板は脛骨に対して後方にある状態になります。この状態でダッシュなどのアクションのための外力が加わると、損傷するということが考えられそうです。

こんな感じで。

【下腿内旋】

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【下腿外旋】

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もう少し考察してみましょう。

過度の下腿内旋が防げれば、半月板は損傷しないで済んだのか?と考えてみます。

もしそうであるならば、それを改善するためにはスタビリティとコーディネーション(バランス能力)がポイントとなってきます。スタビリティとコーディネーション、そのうちのバランス能力は深い関係性があり、重心が支持面上に存在するときの安定性を得ることと、支持面から外れた時、すなわちバランスが崩れた時に立て直すという役割があります。前十字靭帯においては、コーディネーションを失った際に損傷リスクが高まると言いますから、半月板損傷も同様に考えることができると思います。

リハビリのポイントはやはり、スタビリティ・コーディネーションをどれだけ取り戻すかということでしょうか?

もちろん彼自身が「負荷が高いということはなかった」と言っていても、実際は高かったという可能性も考えられます。

 

サッカーに向けたリハビリ段階で考えるべきことが、スタビリティ・コーディネーションの再獲得と負荷の調節、両方からアプローチすべきとなった時、サッカーのプレーにおけるコーディネーションをどうやって計測し可視化するかが課題ですね。

 

 

Yasu


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