サッカーを理解して初めて、コンディショニングもトレーニングできる

サッカーピッチ上空

photo credit: Sam Kelly via photopin cc

 

サッカーのパフォーマンスを左右する要素には「技術」「戦術」のほかに、それらと同様に重要なファクターとして「コンディショニング」があります。

このコンディショニングとはフィジカル的な側面を指し、そこにフォーカスを当てたトレーニングに「コンディショニングトレーニング」というものがあります。

サッカーにおけるこのトレーニングの肝は、「サッカー」の中でフィジカルを鍛えるということにあります。

そのコンディションをシーズンを通して高めていく考え方に「サッカーのピリオダイゼーション」というものがあります。

サッカーのピリオダイゼーション

 

 

以前このブログでも紹介しましたが、提唱者のレイモンド・フェルハイエン氏による講習にも参加したことがあります。

私自身はまだまだこのコンディショニングというものについても日々学んでいる最中なのですが、ありがたいことに先日コンディショニングトレーニングを実践する機会をいただきました。

今回は、その実践の中で特に重要だと思ったことをご紹介します。

 

<<目的とチーム・選手の状態をすり合わせる>>

先述の「サッカーのピリオダイゼーション」の中では4つの目的がコンディションを向上させるために重要だとされています。

1.アクションの質を高める

2.質の高いアクションを維持する

3.アクションの頻度を高める

4.アクションの頻度を維持する

これらの中で、どれにフォーカスしてトレーニングするかで、トレーニングのフォームや人数、コートの広さ、本数、レストが変化します。

加えて、その時々の選手のコンディション次第では、全員が全員同じ本数をトレーニングするのではなく、調節が必要になります。

また、例えばアクションの頻度にフォーカスする場合はゲーム形式のトレーニングを用いるのですが、トレーニングに参加する人数によってチーム分けの人数やセット、レストの回し方にもアイデアが必要です。

サッカーのピリオダイゼーションでは、どのようにプランニングしていくべきかという原則と具体例、それを裏付ける論理的な考え方を示してくれていますが、必ずしもあらゆる状況をカバーしている訳ではありません。

原則をもとに、個々の状況に合わせて、指導者が各々で論理的かつ柔軟に答えを見つけていくべき部分を”Art of Coach”という言い方をします。

要は、指導者の論理的なアドリブも大事だということです。

 

<<サッカーを出発点にしたコーチング>>

ゲーム形式のコンディショニングトレーニングをやるにあたって、最初に設定したトレーニングの目的を達成するためには、当然ながらトレーニング中のコーチングが不可欠になってきます。

例えばアクションの頻度を高める場合、トレーニング刺激を与える必要があるのですが、それはアクションの頻度が落ちてきた際のコーチングによって行います。

コーチングによってアクションを起こさせることで身体に負荷(刺激)を与え、適切な回復期間を経て回復させることで向上させていきます。

私自身は、このコーチングが特に難しいと感じました。

実際のトレーニングの中では、どんどんアクションを起こすために限られた時間の中で矢継ぎ早にコーチングしたいという狙いがありました。

ところがアクションを起こさせたいがために単純なコーチングや直接的なコーチングになってしまうことを考えると、結果としてコーチングを迷ってしまう場面があったのです。

なぜなら、行っているのは【サッカーのコンディショニングトレーニング】で、そこに必要なのは【サッカーを出発点にしたコーチング】であるため、ただ動け、走れ、追い込め、という単純なコーチングだけではアクションの数は増えてもチームのサッカーのクオリティが向上するとは限らないからです。

また、たとえサッカーの用語を使っても「落ちてボールをもらえ」「相手の裏を取れ」「ドリブルしろ」「パスをしろ」などそのシチュエーションにおける直接的な答えをただ与え続けるのは、アクションを起こさせるという意味だけで言えば間違っていないのですが、そうすることで選手が状況を見て判断するという面に対して果たして良い影響はあるのかなと思ってしまったのです。

もちろんコンディショニングトレーニングにおける優先順位はコンディションの向上>判断なのですが、サッカーの試合におけるコンディションは状況判断と切って考えるべきではないのもまた事実です。

選手がコーチングした通りにだけ動くようになっては、そのトレーニングはもはや極端に言えば、ただドリブルでインターバル走をしているようなものです。

状況判断が無ければサッカーではありません。

選手にプレーを判断させる余地を残しつつ、アクションを引き出すコーチングができるのかどうか、コンディショニングトレーニングのクオリティを決めるのかなと思いました。

つまり、たとえメディカルの人間であっても、このコンディショニングトレーニングを行う際にはコーチングをするに足るだけのサッカーの理解がないと難しいと実感しました。

もっとサッカーを理解して、次回このトレーニングをする時はコーチングの内容にどれだけ工夫を加えられるか、チャレンジしたいと思います。

 

 

Yasu


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