サッカーの状況判断と線条体

サッカーと脳

これまで脳と運動の関係についてまとめてきました。脳の中にある【大脳基底核】と、その一部である【線条体】が、運動機能に大きく関連しているという内容でした。

さらに前回の記事では、線条体は運動野からの信号のインプット口であり、さらにそこに入ってくる情報は運動に直接関与したものだけではなく、感覚や情動、あるいは認知機能に関する情報など、運動発現に影響を与える様々な情報である、とされています。

身体運動に大きく影響する【線条体】の働きについて| フットボールノコトバ。

 

 

今回はこの線条体が、サッカーではどのように関わっているのか、という点について触れて行きたいと思います。

 

サッカーの状況判断

線条体の活動が認められた実験は、将棋における課題を用いて行われました。将棋とサッカー、身体的な負荷から見ると全く違うスポーツ・競技に映るのですが、脳内において瞬間的な判断が求められるという点では、そう違っていないような気がします。私は残念ながら将棋にはそれほど詳しくはないのですが、競技規則上それぞれに持ち時間があり、終盤に差し掛かるにつれてより早い判断が必要とされることは想像がつきます。サッカーは終盤と言わず試合全体を通して、狭いスペースでのプレーや相手からのプレッシャーが迫った場面、またゴール前でのより速く正確なクオリティーが求められる場面では、瞬間的な判断が必要とされます。

そんなサッカーでの状況判断について書かれた記事がありました。ご存知の方も多いのではないでしょうか?

“判断力”の秘密は脳科学にあった…!? サッカーで状況判断を早くするためにはどうしたらいい? : ジュニアサッカーを応援しよう!

 

 

ここでは「判断」と「直感」は別のものであるとされており、その違いは、

そもそも、「判断」と「直感」の違いは、時間をかけたものが「判断」、ごく短い時間で判断するのが「直感」と言えますが、脳科学的に言うと、「判断」はある程度、意識的に答えを出すもので、ほぼ無意識的になんらかの決定ができるものが「直感」と考えられています。

とされています。

このような定義の違いは、これまでの将棋の実験やそれに関連した記事を読んでも見られたので、おそらく脳科学者の先生方の間でも完全に定まっていないのでは、という印象を受けました。

しかしこれまで共通して捉えられているのは、「考えた末に出した答え」と「考えるというプロセス抜きに頭の中に浮かんだ答え」についてですので、定義の違いは今後定まって行くとして、問題提議の中ではさして重要ではないのかもしれません。

記事に戻りましょう。ここでも将棋の例と、やはり出てきました、【線条体】です。もはやこのテーマの主役といっても過言ではない扱いです。

さらに、意識的な判断と直感的な判断の考え方については、こう記されています。

脳の中であらゆるものを検索して正解を求めるのが意識的な判断。一方、経験を積み重ねていくことで、成功、失敗のタグが貼り付けられ、そのタグを利用して、「なんかいい感じ」「なんか嫌な感じ」という、好き嫌いに近い感覚を使って最適な選択を瞬時に引き出す、これが直感的な判断ということになります。

その直前にも書かれている、【経験と快感の積み重ね】、というのが線条体が関わっている認知機能・情動に関する情報とぴったりマッチしていますね。

 

直感的な判断を鍛えるには?

大事なのは、この直感的な判断をどうやれば鍛えることができるのか、という点ですね。

記事内では、「意識的にトレーニングに取り組むこと」とされています。

将棋の時もそうでしたが、直感・直観=学習であるという表現がありました。経験を積むことによって、直感的に判断を下すという神経回路が鍛えられるのだとすると、意識的に行い、その結果や経験値に上手く行った・行かなかったという感情的な情報が結びつけば、その記憶と直感的な判断を結びつける神経回路が徐々に構築されていくということなのでしょうか。

最後に、こんな印象的な一文もありました。

こうして脳を通して見てみると、センスや直感、才能というものは、持って生まれてきたものというより、変化、成長に裏打ちされている才能であって、時間をかけた意識的な努力が前提であることがよくわかります。

これは親だけでなく、指導者も常に心に留めておくべきことだと思います。

そして、今後の努力次第で判断力は何歳になっても鍛えられるということは、とても明るいニュースですし、ひょっとしたら身体的な成長以上に可能性を感じさせてくれるのではないでしょうか。

 

Yasu


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