2014年W杯まとめ③ 日本サッカーの今後は?

日本サッカー応援

W杯から1週間が経ちました。のんびりと書いていたまとめも、今回がラストです。これまでW杯開催中の日本サッカー、世界各国のサッカーについて自分なりにまとめてきましたが、今回は日本サッカーの今後について書いていきます。

 

メディアと日本代表

日本がグループリーグ敗退が決まった翌日のスポーツ紙の一面は、なかなかショッキングなものでした。ツイッターで出回った写真をみた限りですが、「惨め」「口だけ」「負け犬の遠吠え」などなど、見出しを飾るのはキツい表現ばかり。まあこれらの表現はすべて試合後の本田選手のコメントから取ってきたものですので、記者やメディアから自然と出てきた言葉ではないのですが、それでも、、、といった感情は拭えません。

それ以外にも今大会を通して、今大会に向けた準備の段階も含めて、メディアの日本代表の報道の仕方に注目が集まりました。その中身は、メディアの報道の姿勢にもっと厳しさが必要で、親善試合を行うたびに代表チームをスターのように持ち上げるべきではない、といった内容が主流だったかと思います。それが日本代表の実力の認識を誤らせ、グループリーグ敗退を招いた原因であるとする考えもあります。

厳しい意見。この取り扱いは非常に難しいところです。これはあくまで私の考えになってしまうのですが、この新聞記事に代表されるメディアの代表チームの扱い方については、コロンビア戦を終えて敗退が決まった直後に一気に高まった論調が影響しているのかなと感じています。その一気に高まった「メディアは代表チームに厳しい意見を」という論調に乗っかったのが先の新聞記事の見出しだとするならば、余りにも短絡的で不毛だなと感じるわけです。残念ながらこちらで日本のスポーツ紙は読めませんので、ひょっとしたら見出し以外の本文でもっと実のある内容が書かれていたかもしれませんが、そこまで考えていればあの見出しが日本サッカーのためにはならないことぐらい分かるでしょう、というのが私の考えです。もちろん、各紙が日本サッカーよりも売上のためのインパクトを優先した可能性はありますが。。。

メディアの報道姿勢について、例えば親善試合の結果でチームを必要以上に盛り上げるのは危険である、という意見には同意です。選手達もアイドルのように扱われるのは望んではいないと思います。一方で、じゃあ厳しければ何を言ってもいいのかというと、そうでもないでしょう。批判と罵倒は別物です。次に改善して成長するための批判であるべきで、建設的な意見を抜きにした批判は、一歩間違えればただの悪口に成り下がります。代表チームはもちろん多くの期待を背負っていますから、応援している人達が期待した通りの結果が出なければ文句の一つも言いたくなる気持ちも分かります。感情的になるのも、熱く応援しているが故でしょう。ですが選手へのリスペクトを欠いていては決して日本サッカーは良い方向へは向かわないということも、忘れないで欲しいものです。メディアだけでなくサポーターをはじめとする日本サッカーを応援する人達も一緒に、自らの振る舞いを見直していかなければいけないところですね。

 

次期代表監督人事は?

さて、日本サッカーは次に向けてもうスタートしています。Jリーグはもちろん、新たに海外にチャレンジする選手も出てきました。ここオランダではプレシーズンがスタートし、VVVフェンロに所属する大津選手も、アキレス腱のケガから復帰を果たし、プレシーズンマッチに出場したようです。ウルグアイとの親善試合が決定した日本代表では、次期代表監督の選任も進んでいると聞きます。

この中でも、次期代表監督選任についてあちこちで言われているのが、「なぜ大会の総括をしないまま次期監督を選ぶのか?」という点です。今大会の失敗を繰り返すことを危惧する当然の反応かと思います。次期監督候補であるアギーレ氏との交渉は最終段階まで来ているようですが、果たして今大会の検証は、実は既に済んでいるのでしょうか、はたまた正式に監督が決定してから行うつもりなのでしょうか、それとも同時進行で進んでいるのでしょうか。その辺を窺い知ることはできませんが、いずれにせよ総括という形で日本サッカー協会の今大会に対する見解をオープンな形で提示してもらえたら、それはきっと日本サッカーにとってプラスになることだと思います。

 

トレンドより大事なのは?

監督人事の他にも、サッカー界のトレンドも日本サッカーに与える影響は少なくないと思います。先日のブログでも書きましたが、今大会は前回王者のスペインがグループリーグで敗退し、ドイツが優勝を手にしました。今後の日本のピッチでは、どのようなサッカーが繰り広げられるでしょうか?

一時期、スペインやバルセロナのサッカーが主要大会において最強を誇った時代がありました。そして多くの人がそのサッカーを学び、日本に取り入れていき、スペイン・バルサのようなパスサッカーが広まりました。次はドイツやバイエルンのサッカーが広まり、スペインやバルサのサッカーを用いるチームは減っていくのでしょうか?

思わず安易に飛びつきたくなる「トレンド」と呼ばれるものがある中、間違いなく今後行われなければならないのは、日本サッカーの方向性の確立です。日本サッカー協会が掲げるビジョンというやつです。「ビジョン」と単語ひとつで表すと漠然としてしまいますが、これこそまさに、「日本人に合ったサッカーと、それを追求するためのプラン」というものです。日本人の体格、運動能力や文化・国民性を改めて考え、国内の育成におけるモデルを作り出すことです。もちろんそのために、海外のサッカーについて知る必要もあるでしょう。

これは何もピッチ上におけるプレースタイルについて、というわけではありません。日本の育成年代はまさに多種多様の形があります。プロクラブ、街クラブ、中学、高校、大学サッカーとそれぞれの環境についても考える必要がありますし、学校教育現場における部活動という括りは間違いなく日本独自のもので、それによってこれまでの日本サッカーにもたらされたメリットを見つめ直さなければなりません。それに伴って、指導者育成プロジェクトの改変も必要になるかもしれません。どうやってこの日本独自のサッカー環境に合わせるかは、大きな課題でしょう。

 

トップとグラスルーツの方向性

こうして日本サッカーについて考えたとき、やはり日本独自の形を作り出すのは容易ではなくて、何度もトライ&エラーを繰り返して行かなければ、作り得ないことも同時に感じました。次の2018年W杯に向けて打ち立てたものが、実は上手くいかないかもしれません。そこでの失敗からさらに良いプランを立て直さなければいけないかもしれません。ですが成長とはそういうもので、失敗なくして成長は得られません。

今後の日本サッカーの発展を考えたとき、先導するのはもちろん日本サッカー協会となるのでしょうが、いかに失敗そのものを受け入れてオープンにし、日本サッカー全体でその失敗を乗り越えていくように持っていけるかが、成長の鍵だと思います。また一方で、日本サッカーを支える人たち(私も含む)が、厳しい姿勢ももちろん大事ですが、上手くいかなかった時に鬼の首を取ったように批判に躍起になることなく、ではどうすれば良いのかを考え各々が行動できるかが必要でしょう。

私が海外に住んでいて特に日本人の良さであると思わされることは、「組織力」や「周囲と力を合わせる」、「誰かに言われる前に、各々が考えて行動できる」点であるかと思います。これらを踏まえて、もちろん一朝一夕で叶うことではありませんが、トップとグラスルーツが乖離しないように同じ方向を向いて進めるようになったとき、日本サッカーはより高いレベルに行けるのではと思います。

 

 

Yasu


PAGE TOP