サッカー小僧との出会い

2017年5月4日

サッカー小僧

出会いがあれば別れがある、それは日本にいても起こりうることですが、ここオランダでは特に頻繁に起こります。私もオランダに渡ってから、幾度となく知人・友人・お世話になった方の旅立ちを見送ってきました。

そしてつい最近も、一人の友人との別れがありました。

彼と初めて会ったのは2年ちょっと前になるでしょうか。奇妙な縁だったと思います。全く予想だにしない出会いでしたから。まあ、人との出会いというのは往々にして突然起こるものですが、ことさら彼との出会いは衝撃的でした。

彼と私が引き合わされた理由のひとつに、サッカーがありました。彼はそう、無類のサッカー好きだったのです。

全く意図せずバッタリ会うこともあり、そこから食事や買い物にはよく行ったものです。彼も私と同じように、チャレンジのためにオランダに降り立ちましたから、時には壁にぶつかることもありました。そんな時に近くの日本食屋にうどんを食べに行ったり、街でお気に入りの服や靴を探し回ったのはいい思い出です。最初に食べに行ったムール貝の味は忘れません。

彼との話題のほとんどはサッカーでした。サッカーの話をしている時の彼は非常に無邪気で、まさにサッカー小僧と呼ぶに相応しい人間でした。本当にサッカーが好きなんだなと思いました。

私も彼に聞いてみたいことは山程あり、そこからより一層サッカーへの理解が深まりました。自分とは違う価値観、自分が知り得なかった価値観に触れることができたのは、まさに彼のおかげです。私がメディカルスタッフとしてこれから仕事をしていく上で、その価値観や考え方はとても重要なものであり、この活動をするようになってから少し見落としがちになっていたことだったと気付かされました。

こうして彼とじっくり話をする時間が持てただけでも、私がオランダに来た価値はあったのかなと思います。

そしてわかってはいましたが、別れの時はやってきました。薄々予想はついていましたから、聞かされたときはそれほど衝撃はありませんでした。「まあ、そうだろうな」と。

空港での見送りの時間は10分とありませんでしたが、これまで多くを語り合ってきたぶん、余計な言葉は不要でした。ただ、見送りの後ユトレヒトの街を一人でひっそりと歩いて過ぎ去った時間を懐かしんでみたのは、ここだけの話です。

ただただ願うのは、彼のこれからの成功。そして彼がサッカーを楽しむこと。本当にそれだけです。

もちろん寂しい想いもありますが、サッカーに関わっていれば、また会うこともあるでしょう。というか今後も遊びに行くつもりですが。笑 その時に胸を張って彼に会えるように、私は自分の道をしっかりと進んで行こうと思います。

 

Yasu


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