オランダサッカー協会の挑戦。変わることを恐れず、ジュニアからトップへのサッカーの発展を目指す。

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こんにちはYasu@yasuhiradeです。

昨日の記事では、オランダサッカー協会が今年に打ち出した改革案に対し、Wim Jansenというオランダサッカー界のレジェンドのコメントをご紹介しました。

オランダサッカー協会の改革。ジュニアサッカーの試合サイズはいったい何が正解なのか。 | フットボールノコトバ。
この記事の締めでも書いたとおり、今日はオランダサッカー協会と調査グループが、調査の結果どのような試合形式に辿り着いたのかをご紹介します。

≪これまでの試合形式≫

昨日の記事内でも書きましたが、現行の試合形式は主に以下の通りです。

  • 6歳未満と7歳未満:4対4のGK無しでピッチサイズは最小30×20m、最大40×30m
  • 8歳未満と11歳未満:7対7のGKありでピッチサイズはおよそハーフコート
  • 12歳未満:11対11でピッチサイズはフルコート。オフサイド導入

これのほかにTwinGameというものもありますが、これは後々出てきますが、調査対象の試合形式の一つです。

 

≪そもそもこの試合形式になったわけ≫

年齢によって試合形式と公式戦の仕組みがオンザボールとオフザボールの発達に影響する、とオランダサッカー協会は考えています。

試合に参加することが、サッカーを学ぶのに重要であるという考え方です。これには、異論をはさむ余地はないでしょう。

しかし80年代、そもそもすべてのフットボールピラミッドのユース選手の楽しさと最適な成長の実現に貢献する試合形式のオーガニゼーションと制度はほとんど知られていない、という背景がありました。このためのオランダサッカー協会ピッチサイズをユース選手の発達に合わせて適応させていこうとしたのです。

≪ここにきてなぜ変えようとしたのか≫

オランダサッカー協会は、過去のW杯やEUROの結果を受けて、オランダサッカーとトップレベルの国々との差が開き始めていることを感じ、「Winnaars van Morgen」という強化指針を打ち出しました。その強化プランに組み込まれているのが、「ジュニアサッカー年代の試合形式の最適化」です。

この背景には、現行の4v4や7v7がフルピッチなったときに十分に貢献していないとの考えが協会にあったこと、発達心理学的にさまざまな発達段階が明らかになっていったこと、欧州各国が様々なサイズの試合形式を選択していたことがありました。

その結果、大規模な調査を行うことになりました。

≪調査の概要≫

この調査の目的には、「すべてのフットボールピラミッドのユース選手の楽しさと最適な成長の実現に貢献する試合形式」を明らかにすること、というものがありました。

文献・周辺国調査

まず最初に、発達心理学の文献を調査し、さまざまなこどっもの発達段階についての情報を集め、生理学的、認知、社会心理学的にどのような特徴があるのか、それらをもとに子ども達は各年代ごとに何が出来て、何を知っているのかをまとめました。エビデンスから固めていったのです。

さらに、周辺各国の試合形式や、ほかのスポーツの5歳から12歳までの試合形式を参考に、発達段階と試合形式をすり合わせたり、欧州各国の状況とオランダの状況を比較しました。そこでは、オランダより上の年代、12歳まで小さいサイズのピッチでプレーしていたり、多くの試合形式の調整の中心にあったのは、子どもの発達だったのです。試合形式や年代のカテゴリ分けもフレキシブルなものでした。これは他のチームスポーツにも見られ、さらにオランダサッカーと比較しても少ない人数小さなコートでプレーをしていたりと、あらたな気づきがありました。

データ調査

次に2v2から11v11までの様々な人数で、様々なピッチサイズをすべての年代カテゴリで徹底的に調べていきました。参加したのは250人のユース選手、6つの生まれ年のカテゴリ、アマチュア・プロ含む5つのクラブで、トータルで204の試合が試されました。さらにフローニンゲン国立大学の協力も得て、試合中の主なボールハンドリング(ドリブル、パス、シュートなど)を、選手ごとに、各試合形式ごとに調査したのです。この調査結果は、過去にオランダサッカー協会が打ち出したユースフットボールの学習プロセスと非常に近いものでした。過去の調査は間違ってなかったということですね。

インタビュー調査

そして、子ども達にインタビュー調査を行いました。質問内容は主に、次の事柄に関する内容です。

  • どの試合形式がもっとも楽しかったか?
  • 様々な試合形式のどの要素が、気に入ったか?
  • 試合形式は、年齢とレベルにおいて、どのような違いが影響しているか?

このインタビューによって、子ども達がどの試合形式が楽しく、興味深く、かつ成長に必要なチャレンジがあったかを導き出していきました。

これらの調査全て、様々な専門家やクラブ、指導者の協力のもとに行われました。

≪そして導き出された試合形式≫

6歳未満&7歳未満

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プレーする楽しさの特徴:

  • 純粋に「楽しい」が上位に来る
  • たくさんゴールすることができる
  • 点を取ったら歓声を上げて喜ぶ

プレーの特徴:

  • たくさんのドリブル
  • たくさんのシュート
  • プレーへの一人一人の関わりが強い

6歳以下の試合形式:

  • 2対2
  • ピッチサイズは20×15m
  • ゴールの大きさは縦横比1対3
  • GKなし

7歳以下の試合形式:

  • 4対4
  • ピッチサイズは30×20m
  • ゴールの大きさは縦横比1対3
  • GKなし

8歳、9歳、10歳未満

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プレーする楽しさの特徴:

  • まわりと一緒にプレーをする
  • チームで勝つという事
  • 攻撃や守備のポジションに立ってプレーできる

プレーの特徴:

  • たくさんのドリブル
  • たくさんのパス
  • すぐにボールを奪い返す

試合形式

  • 6対6
  • ピッチサイズは42.5x30m
  • ゴールの大きさはジュニア用
  • GKあり

11歳未満

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プレーする楽しさの特徴:

  • アクションをするスペースがある
  • チームプレー
  • チームプレーのなかでお互いに励ましあう

プレーの特徴:

  • たくさんのパス
  • 仲間と協力してピッチを大きく使ったり小さく使ったりする
  • プレーへの一人一人の関わりが強い

試合形式:

  • 8対8
  • ピッチサイズは64×42.5m
  • ゴールの大きさはジュニア用
  • GKあり

12歳未満

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プレーする楽しさの特徴:

  • 速いプレースピード
  • チームプレー
  • チーム全員がプレーに関わりを持つ

プレーの特徴:

  • たくさんのパス
  • 仲間と協力してピッチを大きく使ったり小さく使ったりする
  • プレーへの一人一人の関わりが強い

試合形式:

  • 8対8
  • ピッチサイズは64×42.5m
  • ゴールの大きさはジュニア用
  • GKあり

≪まとめ≫

少し時間が無かったので少し粗いまとめになりましたが、オランダサッカー協会はこのような新しい試合形式を導き出しました。

ちょっとずつ見やすい様に清書していきますね。

この試合形式導入までにはもう少し時間がかかるとされています。2016/17シーズン中に各クラブにイントロダクションを行い、2017/18シーズンから少しずつ実施できるようにするとのことです。もちろん、行っていく中で様々な調査も並行して行い、さらにブラッシュアップしていくようです。

今回のように「変化すること、変えていくこと」に対して抵抗が少ないのは、オランダの良いところだなと思います。何かを変えようと思ったら少なからずエネルギーが必要ですし、時には今回のように答えのないものに挑まなければいけないこともあります。ただ、それを無くして成長がないのもまた真実かなと思います。

まだまだ、オランダサッカーの変化に目が離せません。

 

Yasu


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