メディカルスタッフはコーチングスタッフの協力を必要としている。

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前回の記事では2014年W杯でのメディカルスタッフの取り組みについて調査した論文をご紹介しました。

2014W杯で各国メディカルスタッフが取り組んでいたことのまとめ。 | フットボールノコトバ。

 

その中でも特に気になったところが、【怪我の予防における監督・コーチのコンプライアンスの重要性について】という質問項目です。

 

<<国は違えど認識は同じ>>

この質問項目では、監督・コーチの予防プログラムに対する理解なしに怪我を予防することが出来るかという問いに対する、メディカルスタッフの意見をまとめています。

47%のメディカルスタッフがコーチの協力は「必要不可欠」であるとし、53%のメディカルスタッフが「非常に重要である」としています。

この質問は実は4段階で「必要不可欠」「非常に重要である」「不可欠ではないが、あると助かる」「さして重要ではない」という選択肢がありました。

そんな中、全回答者が「必要不可欠」「非常に重要である」の二つのうちどちらかを回答しているということは、この部分がいかにメディカルスタッフの世界では重要だと認識されているかを示しています。

 

<<どんな協力を必要としているのか>>

では、メディカルスタッフが監督・コーチに求めているものとはいったい何でしょう?

この調査はそこまで深く踏み込んでいないのですが、怪我の予防について監督・コーチの立場の人が関われる部分を考えれば、見えてくるかと思います。

まず思いつくのがトレーニング負荷

キャンプ期間・本大会中の疲労の蓄積はなんとしても避けたいところです。

日程に大幅な余裕はありませんでしたし移動も必要でしたから、与えられたリカバリー期間中に充分に回復できるかは難しいところだったと思います。

次に、予防プログラムに割く時間です。

実際の所、シーズン中に負った怪我が完治しないまま参加した選手は少なくないと思います。

おそらくキャンプ前に選手のコンディションチェックは行われたかと思いますが、そこで怪我の状況などをチェックし、怪我の回復に努め再発予防に費やす時間と、戦術トレーニングに参加させる時間とを天秤にかける必要があったと思います。

メディカルスタッフの要望だけを通せばチームの完成度は上がりませんし、監督の要望だけを通せば選手が壊れるリスクが高まります。

お互いに落としどころが必要だったことは想像に難くありません。

 

<<まとめ>>

今回の文献は同じメディカルスタッフだけではなく、様々なスタッフとしてチームに関わる人にとっても知る価値のあることだと思います。

限られた時間をどれだけ戦術トレーニングにあて、どれだけリカバリーにあて、どれだけ予防プログラムにあてるかは大きな問題で、まさにマネジメント的問題です。

メディカルスタッフはその本音として、怪我の予防のためにコーチングスタッフの協力が必要であると考えていることが、この調査で明らかになりました。

自分たちだけで、トレーニング時間外にピックアップした選手に対し特別に時間を割いて行うだけでは、難しいと感じているということです。

残念ながら、実際にどの程度怪我の予防へのアプローチに対して協力・理解を得られたかまでは知る由もありません。

それは結果に表れているのかもしれませんし、表れていないのかもしれません。

ただハッキリとやるべきだと言えることは、コーチングスタッフとメディカルスタッフの怪我の予防に向けた協力を、最善のレベルで行うべきだということです。

 

 

Yasu


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