前十字靭帯手術後のスポーツ復帰で、最低限守ったほうがいい基準

knee gips

photo credit: confidence, comely. Figure 5.4: Tripod Specimens A and B. (Explore) via photopin (license)

 

引っ越しの物件を探すのってなんだかワクワクしますが、荷造りの大変さを想像すると途端にテンションが落ちますYasu@yasuhiradeですこんにちは。

Jリーグの開幕も近づいてきましたが、それに伴って聞こえてくるのがシーズン前の怪我情報。まったくもってありがたくないことに風物詩状態にあり、本当に何とかしたいものです。

そこで引っ張り出してきたのが今回の文献。前十字靭帯損傷後、再建術を行ってからスポーツ復帰の目安となる基準について検証してくれています。

 

≪Intro≫

この研究では前十字靭帯再建後の再受傷と1)Level I Sportsへの復帰、2)復帰のタイミング、3)復帰のために優先すべき膝の機能

の3つの関係について検証しています。

※Level I Sports・・・ジャンプ・ピボット動作、急なカッティング動作を含むスポーツ

 

≪Method≫

研究のデザインはコホート研究。2年間の前向き研究によって106名のピボットスポーツの選手を調査。スポーツ参加と膝の再受傷を毎月記録しました。

膝の機能は以下のテストによって評価されました。

  • Activiites of Daily Living Scale
  • Global rating scale of function
  • Qceps strength
  • Hop test symmetry

 

Retrun to Sport 、すなわちスポーツ復帰のCriteriaはすべてのテストのスコアが90以上であった場合としています。

RTSテストは以下の7つです。

  • isokinetic quadriceps strength testing
  • four single-legged hop tests
  • two self-report outcomes

 

アイソキネティックな大腿四頭筋の筋力、4つの片脚ホップテストに2つの質問紙レポートの7つです。この辺はもう少し丁寧に書いてほしかった感はありますが、あとでゆっくり自力で探すことにします。

ちなみにここでの再受傷とは「膝の再受傷」ということで、必ずしも「前十字靭帯の再断裂」を指すわけではありません。半月板損傷や内側側副靭帯損傷も含みます。

 

≪Result≫

まとめるとこんな感じの結果になりました。

  • Level I Sportsに復帰した選手はそうでなかった選手と比較して4.32倍の再受傷
  • 復帰時期は9か月まではひと月遅らせるごとに51%再受傷の確率が低下
  • 両側の大腿四頭筋の筋力が同じ場合、再受傷の確率は低下

ちなみに再受傷の内訳は以下の通り。

Reinjury after ACL reconstruction

再断裂は8%だそうです。

≪Conclusion≫

で、ざっくりと結論です。

結果で得られた3つの情報に加えて、現場に持っていくべきことは

  • Level I Sportsに復帰することは、さらなる膝のケガのリスクが伴うという事
  • リハビリ期間の基準と復帰の目安となるテストは今後さらに用いられるべきである
  • 少なくとも9か月のリハビリ期間と大腿四頭筋の筋力の獲得は再受傷のリスクを無くすためにクリアすべきである

という3つでした。

 

≪まとめ≫

やはりここでも出てきたのは、前十字靭帯損傷の際は、手術後9か月はリハビリ期間が必要だということです。

さらにリハビリ期間を減らす可能性のある手術的ニックもありますが、今回はそれは用いられておらず、従来の手術テクニックでした。

やはりどうしたって手術後の膝のコンディショニングには難しさが伴いますが、こうした一定のリスクを減らす基準が少しずつ明らかになっていくのは、リハビリを行う側としてはとても助かりますね。

そして大事なのが、この基準をクリアしていても再受傷は起きうるのだという事。そのリスクを頭に入れて、僕達治療家は怪我をした選手に寄り添っていくべきだと思います。

 

Yasu


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