脳の機能局在とそれに関連した障害

人間の脳

脳卒中などの脳血管障害によって、脳の機能が阻害されると、日常生活に様々な問題が発生することとなります。そのような問題に対応し、QOL(Quality of Life)を向上させるのも理学療法の役割のひとつです。

そのためにも脳の機能局在の知識はとても重要になってきます。

ここから時間を見つけてオランダの理学療法の学校で学んだ内容をまとめていくようにしたいと思います。とくに中枢系や内科系の内容は馴染みが無いので、自身の勉強も兼ねています。

 

1.運動野の特徴・機能

一次運動野

  • 中心前回の後部に位置する。
  • 錐体路(運動野の細胞に始まり、白質内の内包を通り、脳幹から脊髄に向かう随意運動の伝導路)を形成する。

二次運動野(補足運動野・運動前野)

  • 中心前回の前部に位置する。内側が補足運動野、外側が運動前野。
  • 運動の統合が起こる
  • 記憶の中のプログラムから神経信号が発信され、それは目的を持った意義ある行動に繋がる
  • 運動前野から一次運動野と髄核を指示し、効果的な運動が起こる
  • 大脳辺縁系→前頭前野→補足運動野・運動前野→一次運動野の順に信号は伝わり、錐体路によって下位運動ニューロンに至り実際の運動になる

三次運動野(帯状皮質運動野)

  • 挙動の選択に関係している
  • 内的欲求に基づく自発性行動を起こす

 

2.感覚野の特徴・機能

一次体性知覚野

  • 中心後回に位置する
  • 刺激を最初に受ける
  • 全脳領域の10-15%を占める
  • 反対側の体性感覚を受ける
  • 視覚は50%50%で交差しているが、聴覚は70%が交差しており、30%は交差していない

二次体性知覚野

  • 一次体性知覚野からの信号を受ける
  • 損傷すると失認といった特殊な認知障害が起こる

三次体性知覚野(体性感覚連合野)

  • 一次体性知覚野から入力された感覚を記憶、経験と統合し、感覚情報の理解に働く
  • 損傷すると、言語と空間のような複雑な障害が起こる

 

3.機能局在と障害

【左脳】

機能局在・左脳

【右脳】

機能局在・右脳

 

4.左半球と右半球の違い

左半球

  • 話す・書く・聞くなどの言語機能
  • 時間の概念
  • 計算機能といった論理的な分析
  • 規則・ルーティンなどの既知の情報
  • 随意運動

右半球

  • 顔の認知
  • 立体的構成の把握
  • 形や大きさの判別
  • 記憶
  • イントネーションの理解
  • 新しい知識への好奇心
  • 総合的、統合的

 

5.脳血管障害により起こる主な障害

体知覚的

  • 不全麻痺・感覚異常(Parese)
  • 知覚麻痺・感覚消失(Anesthesie)
  • 視覚消失(Anopsie)

神経心理的

  • 失語(Afasie)
  • 失認(Agnosie)
  • 失行(Apraxie)

心理的

  • 挙動(Gedrag)
  • 機嫌(Stemming)
  • 性格(Persoonlijkheid)

 

中枢神経系の疾患を理解するうえで基本となる脳の機能局在についてまとめました。特にどのような障害が顕在化してくるか、という知識は鑑別診断において非常に重要とされています。

 

 

Yasu

理学療法

Posted by Yasu


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