視る(診る)ことも評価の一つ。視診の基本となるチェックポイントまとめ

観察

私が選手の普段の様子やプレーを観察するのは、もはやメディカルスタッフとしては職業病の域に達しようとています。ついつい左右のバランスや体幹の安定性、走り方のクセなどを探してしまいます。時に見入ってしまうこともあるので、オンオフを切り替えようと思うのですが、それでもやめられないのは、この「診る」という動作から非常にいろいろな情報が得られるからです。

このような選手の身体を観察する評価方法を「視診」といいます。受傷直後はもちろん、リハビリの過程でも欠かせない評価です。

ということで、今回は診察の基本、【視診】について、オランダでの理学療法教育で学ぶ内容を簡単にまとめてご紹介します。

視るだけというシンプルな過程ですが、実はたくさんの診るべきポイントがあります。

 

【一般的な視診】

患者や選手の顕著な健康状態や身体の様子、静的な姿勢などをチェックします。

【健康状態や身体構成】

  • 印象:健康的な印象か、病的な印象かについて
  • 身体の様子:太っているのか、痩せているのか、筋肉質か
  • 可動性:どのように動いているか
  • ADL:日常生活の一般的な動作が行えているか

 

【静的な姿勢】

  • 一般的な姿勢の印象:普通か異常か
  • 立位姿勢
  • 直線(水平に結んだ線):乳様突起の線、、頸椎7番と肩の線、外耳の線、標準線(脊椎、肩、胸椎12番、etc)

【その他】

  • 松葉杖などの補助具
  • コルセットなどの装具

 

【特定の部位の視診:皮膚】

  • 腫れなどの大きさ
  • 傷口や瘢痕
  • 毛髪類
  • 血管の走行
  • タコの有無

 

【特定の部位の視診:背面部】

【下肢】

  • 足部の姿勢
  • アキレス腱の走行
  • 下腿の輪郭
  • 膝裏のしわの高さ
  • 大腿骨・脛骨を通る軸のライン
  • 大腿部の輪郭
  • 上肢と胴体の隙間
  • 大転子の高さ
  • SIPSの高さ
  • 骨稜の高さ
  • 臀部の輪郭

 

【上肢】

  • 頭の位置
  • 首から肩にかけてのライン
  • 脇の隙間
  • ウエスト
  • 手・肘・肋骨の高さ
  • 脊椎の位置
  • 肩甲骨下角の高さ
  • 肩甲骨間の距離

 

【特定の部位の視診:側面部】

【下肢】

  • 距腿関節
  • 足部の内縁と外縁
  • 下腿の輪郭
  • 膝関節の位置
  • 大腿の輪郭
  • 骨盤の姿勢

 

【上肢】

  • 頭の位置
  • 脊椎の姿勢
  • 胴体のねじれ
  • 肩甲骨の位置
  • 肩関節
  • 腕の位置
  • 腹部

 

【特定の部位の視診:前面部】

【下半身】

  • つま先の位置
  • 前足部の位置
  • 足関節の位置
  • 下腿の走行
  • 膝関節の位置と形
  • 大腿の輪郭
  • 両脚の隙間
  • 骨盤の位置

 

【上半身】

  • 頭と肩のライン
  • 腕の姿勢
  • 脇の隙間
  • 手・肘の位置
  • 鎖骨の走行
  • 胸郭の形
  • 呼吸の仕方
  • ウエスト
  • 腹筋の状態

 

【重要なのは比べること!】

上記でいくつかの見るべきポイントを紹介しましたが、大事なのは左右差に気付けるかどうかです。左右差があるということは、それが痛みの原因だったり、痛みの結果だったりします。さらに、以前の状態と比べてどうだったか、という変化にも注意が必要です。トレーニングを行っていく上で、変化を見逃さないことが大事です。

また、これらの視診は患者は立ったまま動かず、理学療法士が後面→側面→前面→側面、さらに下から上へと診ていくという原則があります。

この視診から得られる情報は、間違いなくその次の評価へとつながっていくので、たかが視診だと思わず、丁寧に行っていくことが大事だと思います。

 

 

Yasu

理学療法

Posted by Yasu


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