スポーツにおける直感・直観を司る部分。脳内で起こっていることとは?

脳と歯車

前回の記事で、右脳の機能の中にある、「自動的動作=無意識的に動作を行うときは、右脳の働きによる」という書き方をしました。

論理的な左脳と感覚的な右脳 その働きについて| フットボールノコトバ。

 

 

この部分について、もう少し細かく書いていきたいと思います。

 

脳機能は完全に局在によって分業されているわけではない

まずは前回の記事の補足から入ります。右脳と左脳で、それぞれの脳が各機能を持つ、というような書き方になりましたが、やはり気になるところもあり、改めていろいろ調べ直してみました。結論から言うと、機能によって脳の中で活発になる部位に偏りは出るが、完全に分業化されているわけではない、ということが言えそうです。ですので冒頭の無意識的な動作も、右脳の活動が左脳に比べて活発になる傾向があるということで、完全に右脳だけが独立して活動しているわけではないということです。

 

右脳派・左脳派は存在しない!?

こちらは補足というよりも完全に訂正です。

前回の記事で、利き腕とその人の特性を関連付けた表現を用いましたが、調べてみるとこんな記事がありました。

「右脳派」「左脳派」は都市伝説だった! 人に“利き脳”はない:研究結果 « WIRED.jp

 

この研究によると、右脳派・左脳派という、人の特性を脳の機能と利き腕と関連付けてとらえるのは、どうも正しいとは言えないようです。

前回の記事ページでも、追記して訂正させていただきます。

【直観】と【直感】と【ひらめき】について

無意識的に動作を行うということは、いわば論理的思考を介さずに動作を行う、ということです。

ここで注目したいのが、このような無意識的な判断にはいくつかの似通った表現があります。【直観】【直感】【ひらめき】です。
『理研ニュース』2011年 | 理化学研究所

 

 

上記リンクのバックナンバー、2011年4月号にプロ棋士の脳活動についての研究が掲載されていました。ここでは直感と直観とひらめきについて、脳科学の観点から以下のように区別されいます。

直感=ひらめき=Inspiration

降って沸くがごとくひらめくもので、誰にでも起こり得るが、きわめて偶発的なもの

直観=Intuition

ひらめきのように見えても、実は冷静な状況分析や論理的思考の上に成り立つもの

この表現の定義については、同研究所のHPでは以下のようにされています。

FAQ | 将棋棋士の直観の脳科学的研究-将棋プロジェクト-

 

直観:推理を用いず、直接に対象を捉えること。(英語のintuition に相当)
直感:推理・考察などによらず、感覚的に物事を瞬時に感じとること。(英語のinspirationに相当)
将棋で「ちょっかん」という言葉が使われる場合、この両者の双方で用いられていると考えられる。本プロジェクトでは、研究を進めていく過程において、「感覚的に物事を瞬時に感じとる」という「直感」ではなく、熟練した頭脳の持ち主が「直接に対象を捉える」という観点から「直観」のほうを主な研究対象として選んでいます。しかし、「直観」と「直感」は重なり合う部分もあるため、今後の研究の進捗を見て考えていくべき問題だといえるでしょう。

 

別の脳科学者はこのように分類しています。

脳:ひらめき」と「直感」の違い : nanaのほんわか村

 

 

ひらめき=思いついた後、理由を述べることができる。理屈や論理に基づく判断であって、大脳皮質の働きによる。

直感(直観)=思いついた後、「なんとなく」としか理由を述べることができない。感覚による判断であって、大脳基底核によって生まれる。

なかなか明確に分類するには難しい部分がありそうです。とりあえず、パッと頭に何かが思いつくとき「理由を言えるもの」「理由を言えないもの」という2パターンがあるということがわかれば十分でしょうか(^^;

 

さて、上記のバックナンバーの研究内容について、プレスリリース版のページもご紹介しておきます。

2011年01月21日 | プレスリリース | 将棋棋士の直観の脳科学的研究-将棋プロジェクト-

 

これは詰め将棋の問題を解く際のプロ棋士の脳の様子をMRIで撮影した実験です。盤上を見て瞬時に状況判断する際に、大脳皮質楔前部(けつぜんぶ)が活動し、直観的に次の一手を導き出す際には、大脳基底核の尾状核(びじょうかく)が活動することが明らかになりました。棋士が直観的に次の一手を導き出す際にはこの2か所が連動していることも明らかになり、この楔前部と尾状核の神経回路が直観的な選択に関わっている可能性が示唆されました。

ちなみにリンク先の脳の写真を見てみると、どうも中央の写真を見る限り、右脳のほうが活発になる傾向にありそうですね。

ちなみに、この尾状核が構成要素となっている大脳基底核の部位が【線条体】と呼ばれます。

 

線条体は大人になっても鍛えることができる

さて、以上の棋士を対象にした実験から、瞬間的、直観的な状況認識や選択には、大脳基底核の【線条体】と呼ばれる部位がキーとなっているようです。

この部分が無意識下の行動や判断に大きく関わっているのがわかったのはいいのですが、では今後それらをどのように鍛えていけばいいのでしょうか?

ヒントとなるのは、この記事のような気がします。

ひかりのまちで: 脳と直感―池谷裕二氏の講演を聞いて

 

もともと線条体は方法、何かのやりかたの記憶を司る場所で、「無意識かつ自動的かつ正確」「繰り返しの訓練で身に付く」という特徴がある。

という記述から、線条体の直観的な機能をさらに向上させるためには、繰り返しの動作によって経験を積み重ねることが重要である、ということのようです。

訓練によって改善できる、というのは例えばサッカーといったスポーツでの瞬間的な判断を鍛えるのに応用できそうですね。

 

ということで次回の記事ではこの研究内容をサッカーに絡めて考察していきたいと思います。

 

 

<余談ですが、このブログを読んでくださる皆様へ・・・>

前回の記事について、やはりもっともっと調べてから記事を書いていかないといけないと感じました。中途半端な内容では今回のように訂正すべき部分も出てくるし、自分の成長のために書いているのだからたとえブログのイチ記事とはいえ、もっとこだわって書いていきたいと思います。前回の記事を読んで混乱してしまった方々に、お詫び申し上げます。

これまでに書いた記事も、すべて正しいというわけではないと思いますので、新しい発見があり次第、訂正していきます。皆様からも何かありましたらご連絡いただけますと幸いです。

 

 

Yasu

理学療法

Posted by Yasu


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