世界のサッカーから、トレーナーの怪我への向き合い方を学ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

本日、ワールドフットボールアカデミーという団体が主催する、第4回ナショナルフットボールシンポジウムに参加してきました。

世界のトップを走るエキスパートが注目する知見とは?始まる前からワクワクが止まりませんでした。

 

«最も印象に残ったセッションは»

今回のシンポジウムはサッカーの心理学、戦術的ピリオダイゼーション、ディフェンスの技能などなど。一つ一つは別記事で書いていくこととしますが、この中で最も僕の中で注目度が高かったのが、UEFA Medical Comission のJan Ekstrand氏による、「監督は選手のケガに対して責任を持つ」というセッションです。

このセッションでEkstrand氏はまず、「シーズン中のケガ人が少ないチームは、より高い成績を収める傾向にある」という観点から、メディカルの要素が結果にかかわることを述べています。

チームの中心となる能力を持つ選手に疲労が蓄積していた場合、チーム力の低下につながります。ベストメンバーでプレーし続けることが、もっとも結果につながりやすいのです。

そしてシーズン中のケガ人が少ないということは、選手に疲労が蓄積し過ぎないようにきちんと負荷のマネージメントが出来ているということが、要因の一つとして考えられると思います。負荷をマネージメントできるスタッフ、つまりトレーニングを考えたり、シーズンを通しての計画を立てるのは監督であるということです。

Ekstrand氏が述べた傾向が正しいものであるならば、チームにケガ人が発生するかどうかは、まさしく監督の手腕にかかっているといえると思います。

日本でもそう遠くない将来、あるチームが好成績を上げる理由をサッカー好きの一般の方が語り合う時に、「戦術がいい」「代表級の選手がいる」というような要素と並んで「ケガ人が少ない」という内容が会話に上る日が来るような気がしますし、ぜひそうなって欲しいなと思います。

まだまだ興味深い内容があったのですが、長くなってしまうので別エントリーでちょっとずつ書いていこうと思います。

お楽しみに!

 

(2017/4/18追記)

さて、この記事を書いてから3年半が経ちました。

様々なサッカーのチーム、監督、フィジオセラピスト(トレーナー)と関わってきましたが、やはりいかに選手の怪我を減らす事が出来るか、ということは今にしても難しい問題です。日本に限らず、世界中でサッカーが行われ、世界中で怪我が起こっています。その原因を全て明らかにすることはとても難しい事ですし、極端な話、接触による怪我はどうしたって起こりうるものです。

怪我が増えるにせよ減るにせよ、大きく関与することができる立場にあるのが指導者。多くの場合、この事実に間違いはないでしょう。そして指導者は、その責任を背負いながら、日程や結果を出さなければいけないプレッシャーと闘っているのもまた事実です。それだけ責任のあるポジションですし、その責任を背負ってなお結果を出せた時は誰よりも賞賛されるべきポジションだと思います。

当時のセッションでは「世の中の指導者達よ、気付け!」という勢いがありましたし、実際にそれまで考えたこともない指導者が多かったのだと思います。僕自身、トレーナーという立場ですが、そういった考え方に立ったことがありませんでした。そうして何シーズンか、監督とコミュニケーションを交わしながら過ごすことで、考え方も少しずつ変わってきました。

選手の怪我の多くは確かに指導者に責任のあるものだけど、だからと言ってそれを監督一人に背負わせ、事が起こったときにただ糾弾するだけの姿勢でいてはいけない、ということです。

フィジオセラピスト(トレーナー)にもできることがあります。医療が専門であるからこそ、持ち得る情報を指導者や選手に伝えることができます。アップのプログラムに関与しているか、怪我を出さないためにスタッフが一つのチームとして共通理解を持って動けているかサッカーの勉強をして、指導者の考えを理解しているかコンディショニングの勉強をして、指導者がそれを認識していないのなら、伝える努力をしているか?(←難易度高め)

いきなり怪我をゼロにできるとは思っていません。コンディショニング理論が万能でないことは百も承知です。でも、少しずつでいいから上積みを作っていく。百チャレンジして一でもいいから拾って次に繋げていく。怪我をゼロにするという結果を最終的に得るために、そういう繰り返ししかないのかなと思います。

そんな感じです。なんとなくコラムっぽくなっちゃいました。おしまい。

 


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