サッカーと脳震盪 ~知っておくべきその対応~

brein

今回はサッカーの試合における【脳震盪】についてです。その対応を知っていると知らないとでは大きな違いです。実際に試合や練習で発生することも珍しくありませんから、いざという時にきちんと対応出来るよう、準備しておきましょう。

【脳震盪】

直達の外力ではなくとも、頭部がある方向への加速度を受ける時、脳組織内にひずみを生じ、それによると思われる脳機能障害を生じること

(アスレチックトレーナーテキスト③より)

 

このような定義がある脳震盪ですが、その対応には慎重を期すべきという見方が近年、高まってきています。

日本サッカー協会では、以下のようなガイドラインが設定されています。

メディカルコーナー|日本サッカー協会

 

さらに、ここオランダでも、オランダサッカー協会が一つの簡易なマニュアルを作成しているので以下に紹介していきます。

Uitleg over procedure hersenschudding | KNVB.nl

注意が必要な兆候

  • 意識消失
  • しびれやぼーっとする感じ、めまいが起こる
  • オリエンテーションテストのスコアが不十分
  • 質問に対する答えが遅い
  • 動きに不自然さがある
  • 異常な行動
  • 記憶テストのスコアが不十分

選手の主訴

  • 混乱・感覚が明瞭でない
  • 吐き気
  • バランス障害やめまい
  • ものが二重に見えたり、視界不良
  • 頭痛
  • 光や音に対する異常な感度

重症度の分類と対応

グレード1:意識がはっきりしている

A)数秒のみの意識の混濁

→ 試合復帰可

B)脳震盪の症状が15分以内に消失

→ 試合復帰可だが、監視はしっかりとする

  • 悪化した時のため、前もって連絡を取り合う方法を決めておく
  • ハーフタイムや試合後にもう一度評価する
  • 状態が疑わしい場合:交代

C)脳震盪の症状が15分以上続いた時

→ 交代して、ロッカールームで評価を行う

  • 主訴が残っている時は自宅へ搬送し、ホームドクターに連絡を取る
  • 発生後24時間は注意して観察し、一時間ごとに起こし、状態をチェックする。異常があったり意識消失が認められれば、救急車を要請する

 

グレード2:5分以内の意識消失と30分以内の記憶障害

→ ただちに交代

  • ロッカールームで評価・観察
  • 自宅に搬送し、ホームドクターに連絡を取る
  • グレード1のCと同様に24時間観察する

グレード3:5分以上の意識消失と30分以上の記憶障害

→ ただちに交代

  • 救急車を要請し、病院へ搬送

 

意識テスト

発生後、もしくは意識が戻った際に以下の質問を行う。複数回間違えた場合は、異常であると判断する。

【オリエンテーション】

  • 対戦チームはどこですか?
  • 今、どの街にいますか?
  • 今、何月ですか?
  • 今日は何曜日ですか?

【記憶テスト】

  • 脳震盪が起きる前、試合のスコアはいくつでしたか?
  • あなたのポジションはどこですか?
  • あなたに何が起こったか分かりますか?
  • 次の3つの言葉を繰り返して下さい。(3つ単語を挙げる)

【集中力テスト】

  • 今日から曜日を逆回りに言ってください。
  • 次の数字を逆に言ってください。(例63→36)

【記憶テスト】

  • 先ほど繰り返した3つの言葉を挙げてください。

このようなマニュアルに沿って対応します。特別な医学的知識が無くても、その場にいた人でも対応できるようになっています。また、その後の復帰については、ホームドクターの判断を仰ぐことが原則となっています。この辺の対応は、日本とほぼ変わらないですね。

日本もオランダも共通しているポイントが、発生後24時間以内はきちんと選手の状態を管理すること、という点です。症状がすぐに消失したとしても、一度脳震盪と評価された場合は、油断せずに慎重に対応しましょう。現場にトレーナーなどのメディカルスタッフがいない場合には、監督やコーチが責任を持って対応することになりますので、専門家はもちろん、チームスタッフの方にも是非知っておいていただきたい内容ですね。

 

Yasu

 

 


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