サッカーの言葉を扱うということ

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私はサッカーを専門としたメディカルスタッフとして活動しています。怪我をしたサッカー選手が再びピッチに戻ることや、プレーしている選手たちのコンディションをよりいい状態に持っていくことが仕事です。

しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。それは、「私はサッカーの言語をきちんと扱えるか?」ということです。

 

【サッカーの言語とは?】

サッカーの言語=Football Languageとは、どういうことなのでしょうか?それはつまり、サッカーのコーチ・指導者が用いる、「サッカーの専門用語」です。ピッチの上で用いられる言葉、それがサッカーの言語です。

サッカーを出発点にする、ということで、このブログでも何度か取り上げて来ました。

サッカーを出発点にする | フットボールノコトバ。

 

 

 

サッカーを出発点にする② ~サッカーとリハビリ~ | フットボールノコトバ。

 

 

 

日本というひとつの世界(国)では日本語、オランダというひとつの世界(国)ではオランダ語を話した方が意図は伝わるように、サッカーというひとつの世界(スポーツ)ではサッカーの言語を話すべきなのです。

医者の間では医学用語が、研究者の間では研究用語が、銀行マンの間では金融・経済用語が用いられます。そのほうが、その世界で起こった問題を議論することがよりスムーズになるからです。

なんだ、そんなの当たり前じゃん、と思った方もいらっしゃるでしょう。しかし、本題はここからです。

 

【ピッチ上で起こっていることをサッカーの言語で】

では、サッカーの世界ではどうでしょうか?サッカーの世界では、ピッチ上のパフォーマンスを向上させたり、ピッチ上で起こった問題を解決していくうえで、コーチ以外に様々な分野の多くの専門家が関わっています。それはフィジカルコーチ、フィジオセラピスト、トレーナー、ドクター、心理学者、運動生理学者、栄養士など、チームによって様々です。

そして、現実に起こっていることはサッカーの外の専門家が、サッカーの言語以外を用いて、サッカーのピッチ上の問題に取り組む、コーチにアドバイスを送る、ということです。これで起こることは、サッカーのコーチと専門家とのミスコミュニケーション、さらに言えば、行ったトレーニングとピッチ上でのパフォーマンスとの乖離です。

 

【サッカーはサッカーをすることによって上手くなる】

サッカーのコーチと専門家とのミスコミュニケーションとは、別にお互いの仲が悪くなる、ということではありません。サッカーのコーチはサッカーの専門家であるため、サッカーの外の専門分野については、その道の専門家ほど理解していません。逆に、サッカーの外の専門家はサッカーのコーチほど、サッカーを理解してはいません。すなわち、放っておけばお互いの専門用語はお互いに十分には理解できない、ということです。極端に言えば、日本人とオランダ人がお互いの母国語で喋り合っているようなものです。日本サッカーの現場では、もちろん日本語が話されているので話している言葉、フレーズを聞き取ることはできますが、その内容までは理解しきれているのでしょうか。例えば、【VO2maxという言葉と、90分間プレーの質と頻度を落とさないこと】だったり、【メンタルという言葉と、GKとの1対1を決めること】があったとします。それぞれの専門家は、この言葉の本質をきちんと両方とも理解できているでしょうか?

また、大事なのは「サッカーはサッカーをすることによって上手くなる」ということです。上手くなる、という言い方は理解が偏ってしまうかもしれません。サッカーのピッチ上で良いパフォーマンスを発揮するためには、サッカーのトレーニングを行う必要がある、ということです。このことや、先ほどのVO2max、メンタルに関しては、次回の記事に書きます。

私もこのブログでは「サッカーのコーディネーション」という言葉をよく使いますが、サッカーのピッチ上でのパフォーマンスを真に向上させるためには、それもまだ十分ではないということです。今現在、どのようにこの「コーディネーション」という言葉をサッカーの言語に翻訳できるか、日々頭を悩ませているところです。

ということで、次回に続きます。

 

 

Yasu


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