大会運営についてメディカルの人間として思うところ~FCユトレヒトU12ベルギー遠征より~

Baker

先々週末、オランダではイースター休暇というものがありました。

私が研修しているFCユトレヒトU12はこの連休を利用してベルギーはLier(リール)と呼ばれる街のLyra(ライラ)というクラブが主催するインターナショナルトーナメントに参加してきました。

インターナショナルといっても参加チームはオランダとベルギーとあとどこかの国、という規模やレベルはそれほど高くないトーナメントです。それでも今年で42回目を迎えるというとても歴史のあるトーナメントで、U12と並行してU13のトーナメントも行われていました。

普段使い慣れない4号球や、でこぼこのグラウンドといった難しい部分もありましたが、私たちFCユトレヒトは見事優勝を手にすることができました。

今回はこの大会の運営について気づいたところを書いていきます。

Kampioen Lyra

 

クラブに関わる人間と、地域の協力

このようなそれほど大きくないクラブが主催するトーナメントで、なぜ42回も続いているのか、そのヒントはやはりクラブに関わるボランティアスタッフと、地域の施設との連携でした。

まず初めに、選手たちは今回のトーナメント期間中はクラブ関係者のお宅にホームステイという形で宿泊しました。その日の日程が終わると、各ステイ先の家族がプールやバーベキューなどの楽しいプログラムを用意していてくれて、選手たちをもてなしてくれるというとても有り難い待遇をしてもらいました。

また、グループリーグから決勝戦までは4時間ほど空いていたのですが、それを主催者側に相談するとすぐに近くのレジャー施設の手配をしてくれたりと、時間も有意義に使うことが出来ました。ちなみにこの時はパターゴルフをしてきました。

minigolf

 

トーナメントと言えばもちろん食事もあるのですが、その食事の調理もボランティアスタッフによってまかなわれていました。食事用のテントの一角には大きな鍋が何個も置いてあり、食事時間中は担当の方達がひっきりなしに働いていました。

そして救急設備も充実していました。救急テントが設置され、地元の救急隊員が2~4名常に待機しており、簡単な傷の手当から簡易ベッドや点滴、酸素マスクも用意されていました。私のようなメディカルスタッフがついていないチームもありましたから、そのようなところは特に安心して大会に臨むことができたと思います。

 

サッカーという文化が根付いているからこその運営

このトーナメントのように、オランダでもアマチュアクラブ主催の国際トーナメントは数多く行われます。そこにはもちろん、スポンサーによる資金援助もあるのですが、大会運営はボランティアスタッフをはじめとする地域の人々の協力で成り立っています。日本でも国際ユースサッカー大会というものが行なわれていたり、地域ごとにサッカーフェスティバルといったトーナメントが多く開かれています。私の大学時代にも学生が主体となって運営し、全国各地から参加チームが集うという大会が行われていました。このような、サッカー協会主体ではなく地域ごとに開かれる大会の存在は、日本にサッカーというものが文化として定着してきている証拠かなと思います。

さすがにヨーロッパほど簡単に国外チームを呼ぶことは出来ませんが、今後、少しずつそのようになっていけばいいなと思います。サッカー文化としてのこのようなフェスティバルの今後の発展という点で、個人的には救急面での充実に注目しています。AEDはもちろん、可能であれば救急隊員やドクターの方に待機していてもらえれば心強いですよね。例えば気候だけ見ても、日本の夏はこちらの比ではなく厳しいですから、トレーナーといった各チーム付きのメディカルスタッフだけではカバーしきれない事例も発生する可能性は十分にあります。遠く離れたところから遠征に来た時は、氷など運営サイドの力を借りなければ充分な準備が難しいことだってあります。

単純に、メディカルスタッフがついていないチームもまだまだあると思います。怪我人や体調不良者の多発、命に関わる最悪のケースなどが起こると、その大会の存在自体危うくなりかねません。最近の日本の大会のメディカル面の事情について充分に精通しているわけではありませんが、やはりこの救急設備・施設の充実という点は意外と見落とされがち、軽視されがちのような気がしています。

梅雨を過ぎたあたりから夏にかけて各地で様々なカテゴリ向けの大会が開かれることだと思います。何かあった際に大事に至ることの無いように、最善の準備をして臨むことが、大会を成功させる一つの条件ではないでしょうか。

 

 

Yasu


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