足関節の捻挫から骨折を見抜く【オタワ足関節ルール+バッファロールール】

松葉杖・黒

サッカー選手の中で最もポピュラーな怪我が、「足関節捻挫」です。足元にあるボールを足で扱い、足で奪い合うのですから、そこに発生の頻度が集中することは、想像に難くありません。

今日はそんな捻挫が起こったときの、その場に居合わせたトレーナー向けの記事です。

≪捻挫が起こった時にまず判断すべきこと≫

トレーナーのみなさん、捻挫が起こったあとはどうしていますか?

RICE処置?基本ですよね!素早い処置は回復のための第一歩です。

検査のため病院へ?もちろんその通りです!日本ではドクターの診断の元に、トレーナーはリハビリを行います。勝手に診断して、行かなくてもいい、としてしまうのはあまり賢い判断とは言えません。億劫でもお金がかかっても、しっかり診断を確定してドクターときちんと連携をとることが、選手のためになります。

ドクターのもとへ選手を送る前に、トレーナーだったら誰しも評価を行いますよね。受傷機序の問診から視診・触診によって腫脹、熱感、圧痛、さらに可動域制限、足関節不安定性、筋力検査、既往の確認などetc…

そんな際、是非この検査を加えてみてはいかがでしょう?

≪足部・足関節の骨折を見抜く【オタワ足関節ルール】≫

それが「オタワ足関節ルール」、英語では”Ottawa Ankle Rules”となります。

まずは図をご覧あれ。(注:英語)

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【引用元:KNGF-richtlijn Enkelletsel】

触診の際に図内のA・B・C・Dの圧痛をチェックします。視診の際に明らかな変形が有る時は適応されません。

A:外踝後方の遠位端6cm

B:内踝後方の遠位端6cm

C:第五中足骨基部

D:舟状骨

このうち一つでも圧痛があれば骨折を疑います。

さらに4歩、自力歩行ができなかった場合も、骨折を疑います。

余談ですが、オランダの足関節傷害の理学療法士向けガイドラインでは、骨折の鑑別のためにさらに足部と下腿への軸圧、腓骨の触診が記載されています。

受傷から48時間以内であれば高い感度(ほぼ100%!)を持つこの検査、覚えておいて損は無いと思います。

ただご注意頂きたいのは、例えば外踝の後方などで腱を触っているのか骨を触っているのか、非常に間違いが多いと聞いています。圧痛があったので検査してみたら骨折はなかった、というパターンです。

≪【追記】バッファロールールを併用してみよう!≫

ここでさらに追加して用いたいのが【バッファロールール】と呼ばれる検査です。触診の位置はオタワ足関節ルールとほぼ変わらないのですが、唯一、外踝・内踝の後方ではなく中心線を触診することが変更点であり、これによって検査の特異度が向上したという報告があります。これによって、「検査項目の一つに当てはまったけど、やっぱりレントゲン取ってみたら何もなかった」という事態を防ぐ確率が向上したと言えます。また、外踝後方の触診による腱の圧痛といった紛らわしさも解消されるため、是非取り入れたい検査方法です。

≪日本ではドクターの診断が必要だけれども…≫

もともと、必要のないレントゲン撮影を減らすために作られた鑑別方法です。ちなみに私の研修先のチームではこの鑑別方法をもとに、病院への搬送をするかどうかの判断は、私たち試合帯同スタッフに委ねられています。本当に判断が難しい場合は緊張が走りますが、「念のため」という言葉を添えて安全策を取るよう心掛けています。何よりも危険なのは過信ですから。

日本ではドクターに見て頂いた後、レントゲンの必要性を判断されるので、日本でトレーナー自身が判断する機会はそれほど多くないかもしれません。(もちろんケースバイケースです!)

ですがこの検査を覚えておけば、骨折が疑われて搬送する際に、ちょっと応急処置に手を加えて固定を強めにする、病院に着いたら松葉杖や車椅子を借りるなど、リスクマネージメントの部分が向上するはずです。

トレーナーとして活動していて、この鑑別方法をご存知ではなかったとしたら、是非次回から活用してみて頂きたいと思います。

 

Yasu


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