怪我の発生を減らすための、ウォーミングアップのこだわり

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最近、ルームメイト(オランダ人)にお米を鍋で炊く方法を訊かれ、教えたはいいものの結局彼は鍋からすぐに目を離してどこかに行ってしまうので結局最後まで僕が面倒見て炊くことになりました美味しかったですYasu@yasuhiradeです、こんにちは。

 

僕が現在フィジオセラピストとして活動しているのがVVアルクマールというチームです。VVとはVrouwen Voetbalの略で、オランダ語で女子サッカーを意味します。所属リーグはオランダの女子1部(エールディビジ)です。

そのVVアルクマールで、僕が今取り組んでいることの一つに、怪我の予防があります。

とはいえ、サッカーの試合において接触等の怪我はどんなに気を付けても避けられるものではないので、当面のターゲットは「自爆系」の怪我です。いわゆる肉離れなど、非接触系の怪我をどれだけ予防できるかが一つのチャレンジになっています。

そもそも怪我はしないほうがいい、というのは誰もが「そらそうだ」ってなるくらい当たり前のことですよね。

コンディショニングの考え方であるサッカーのピリオダイゼーションでは、常に同じメンバーでプレーをすることが、チーム力を高めるために最も重要で、そのために怪我はしないほうがいい、とされています。

基本的に(監督にもよりますが)選手が変われば戦術もポジショニングも、セットプレーの配置も変わります。

サッカーにおいては選手間のコミュニケーション、すなわち共通理解の深さが最も重要で、そのためには同じメンバーでプレーすることが最も効率が良い、というわけです。

 

そこで、ピリオダイゼーションと並行して、ウォーミングアップでも怪我の予防に力を入れていこう、となって僕が担当することになりました。

実際にやっていることは、ベースはFIFA11+です。

研究では、39%もの怪我の発生率の減少が認められています。

 

インストラクターの資格もあるみたいなので、機会があればもっと勉強したいなと思うプログラムです。

現チームでは、今の選手たちのプレーレベルを考慮に入れて、この11+のいくつかのプログラムをいじっています。そもそも、11+はアマチュアレベルやレクリエーションレベルの選手向けに開発されたものです。トップレベルの選手に対しては、そのプログラムの強度や頻度について、未だコンセンサスは得られていません。そこで、体幹スタビリティではよりダイナミックなものを取り入れ、同時に全身のモビリティを向上できるようなプログラム、さらに筋肉をアクティベーションするためのミニバンドメニューなどを組み合わせています。

時間はだいたい長くて20~25分、短い時は15分。トレーニング時間には限りがあるので、ウォーミングアップもそこを考慮に入れています。

さらには、その日のトレーニングメニューによって、アップの強度を変えています。シンプルに、強度の高いトレーニングをする時は瞬発系の動きを多く入れ、回復に力を入れたいときはモビリティメニューを多く入れる、などその日のトレーニング前に監督と話をして決めます。

さらに、認知的に刺激が入るように単純にまっすぐ走るのではなく、列同士が交差するように走るコースを設定します。時々選手同士で交通事故(;・∀・)が起こりますが、しっかりお互いに視野を取ってスピードやタイミングをずらすのも狙いの内です。

以上のような内容を、約8週のスパンでちょっとずつ変えていく予定でいます。プレシーズンである6月の終わりごろから取り入れてはいたのですが、現在の形に固まったのは8月の頭からなので、ボチボチ改変の時期を迎えようとしています。(2017年9月末現在)

プレシーズンマッチ、そしてリーグ戦のパフォーマンス、トレーニングのパフォーマンス、選手の疲労度、怪我の発生件数など、検討する項目は多数です。

それらについてコーチングスタッフと話をして、彼らの要望に合わせて変えていきます。

 

ちなみに、ここまでの怪我の発生件数は2件です。

一件が半月板損傷、もう一件が足関節の内反捻挫です。

ウォーミングアップだけで全ての怪我を防ぐことが出来るとも思っていませんが、トレーニングメニューやプランニングと絡めて、まだまだ改善の余地はありそうです。

そもそもが手探りの状態から始まったので、それは致し方ないと割り切っています。怪我を許容しているのではなく、こういうプロセスを経ていかなければ、チームも僕自身も発展はない、と受け入れている、ということです。怪我が出るのはもちろんツラいですけどね。

当然ながら、ただの経験則や適当なイメージでメニューを組んでいるのではなく、すでにデータがとられているものや身体的な原理原則をベースにしているので、方向性はそのものは間違っていないと思っています。

怪我の予防には、理論はあっても実践的にどのチームにもあてはまる絶対的なプロトコルがないのも事実で、こうしたジレンマと闘いながら、不完全な状態でシーズンは進んでいくものだと理解しながらやっています。

この取り組みについては、随時更新していきます。

 

そんな感じです。

おしまい。

 


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